『さきんこが好きやねん』
 
 携帯持ってる手が震えて、
 その震えが声にまで伝わっていた。
 
 心臓の鼓動が聞こえる。
 体中の体温が上がり、
 頭に血が上った感覚。
 
 この想いは彼女に届くのだろうか。
 
 
 
* * * 
 
12/2(火)14:00
 
 仕事してても、昨日の事しかない頭に無い。
 何故、あの時言えなかった。
 
 言わないと言ったり、
 言うと決めても言えず終い。
 いつも中途半端でほとほと呆れる。
 
 
23:05
 
オ『電話できる?』
さ『今バイト中さ』
オ『遅くまでやってんねー。
  んじゃ、終わってから電話イイ?』
さ『1時半位なら話せそう!』
 
 
 
 
12/3(水)1:30
 

 電話してもイイのか?
 さきんこから連絡はないけど…。
 う〜ん…。
 待つか。
 
 
2:00
メールを送る。
 
『さきんこー。まだ時間かかりそう?』
 
 メールが届かない。
 電話中?
 
 
2:27
↑のメールが届く。
すかさずメール。
 
『電話してもイイ?』
 
返事無し。
 
 
2:45
再びメールを送る。
 
オ『寝たかな?』
さ『電話来なかったからお風呂入ってたー。』 
  
 あん時電話したらよかったのか。
 ゴメンな、お待たせしました。
 
 
 
2:50
電話。
  
オ『こんな遅くにゴメンな。』
さ『うん。イイよ。どしたん?』
 
 こういう時って、
 いきなり本題に入ると言いにくんだな。
 初めて知った。
 
 
オ『うん。あのな。。。』
さ『ん〜?なにぃ?』
オ『えっと…。』
さ『どしたん?笑
  何か言いにくい用事?』
オ『イヤ、そうじゃないんやけど。
  あのな…。俺な…』
 
 
 
 
 
 
* * *
 
 オノさんが居るのは知ってる。
 さきんこが、
 "オノさん以上の人に出会うことはない"
 ことも知ってる。
 ただ、伝えたかった。
 
 
さ『え…。あ…。えぇ!?
  うそ…。い、いつから?何で?』
 
 いつからなんて分からない。
 気付いたら頭の中にさきんこが居た。
 
オ『ずっと好きやった。
  言っても無理やって分かってた。
  けど、何か言いたかってん。
  ホンマはな、
  昨日言いたかったんやけど、言えんかった。』
 
 普通に話せばイイ。
 思ったことをそのまま。
 飾った言葉なんて要らない。
 素直な想いを伝えればイイ。
 
オ『一応さ…、返事は欲しいな。』
さ『えっと…返事、今言った方がイイのかな…。』
オ『今言えるなら今言ってくれたらエエし、
  今じゃなくてもエエよ。返事は急がへん。』
さ『そっか。ちょっとだけ…考えてもエエかな。』 
 
 
 
どうかこの想い、届きますように。
 
 
 
 
―今日イチ―
叶わない恋だと知ってても
いつもいちばん近くで君を見てた
突然の告白 困らせたね
忘れてと言ったけど もう遅いね
友達と思えたら
君までこんなに悩ませることもないのに
 
Jungle Smile
~片思い~

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