10/9 AM0:46
知らない番号からの一本の電話。
 
出なかった。
今は誰の声も聞きたくない。
聞きたいのはさきんこの声。
 
留守電のメッセージに入る声が、
途切れ途切れで耳をかすめる。
 
?『もし―し?
  め―りぃ?
  メール――へん――ごめ―ね。』
 
さきんこ!!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
声…。
聞けた…。
アナタの声が…。
何度、この瞬間を望んだか。 
 
 
 
アナタからの電話を待ち焦がれて、
寝ることすら出来ないでいた。
寝てる間に着信があったら…。
不安と期待で眠れない。
 
アナタの声が聞きたい。
けど…。
もし、隣にあの人が居たら…。
アナタにはその言葉を伝えられない。 
 
 
 
朝。
目が覚めると携帯を開く。
メールは…?
着信は…?
 
アナタとの繋がりを探してしまう。
あの日からそんな毎日が続いてた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
オ『…もしもし。』
 
さ『え?あれ?
  めありぃ?
  あれ?何で留守電?』
 
オ『今、ネカフェに居ててさ。
  調べ物ちぅなん。』
 
さ『そっか。
  いっぱいメールしてくれてたのに御免な。
  私さ、ちょっと入院してたん。』
 
 
友達と遊んでた時、車で事故を起こしたらしい。
さきんこは首の筋肉を切ったが、
幸い一週間の入院で済んだのだとか。
けど。
運転していた友人が重傷らしく、
今も入院しているらしい。
 
この話を聞いて正直、安心した。
さきんこは元気。
良かった。
心の底からそう思った。
さきんこが無事ならイイ。
それでイイ。
他には何も望まない。 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
たった5分の会話。
それでも…。
アナタの声が聞けて良かった。
元気な声。
 
 
 
今も耳に残ってる。
 
 
 
 
 
     "また遊ぼうね" 
 
 
 

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