9/29(月) 1:00
メール着信音で起こされる。
 
『今日ね、彼氏んチ一人で居て、
 夕飯材料買いにスーパー行った帰りに、
 玄関前から男がすっと現れてさ。
 顔の目以外をタオルで巻いて覆面してたの。
 「パンツ見せて」って言われて、
 びっくりして叫んだら体触って逃げたんだけど…。
 すぐ彼氏に電話して学校から来てもらったけど、
 動揺して泣きじゃくっちゃって。。。
 警察にもきてもらったんだけど何も言えなくて…。
 前から、誰か後ろからつけられたり、
 洗濯物干してたら外からずっと見られてたり…、
 そういうのも同じ人かなーって。。。
 どうしよう…。
 私、いつか殺されるかも…。』
 
 
さきんこからのメール。
 
 
一気に眠気が覚めた…。
直ぐに電話したけど、さきんこ出てくれなくて。
メール送ってみた。
  
 
 
オ『大丈夫?
  オノさん居てるん?』
 
さ『ごめんね。
  オノさんが居るから出ないんじゃないの。
  今、喋れないんだ…。
  落ち着いたら電話するね。』
 
オ『ん。
  俺の事はイイ。
  一人?オノさんどうしてるん?』
 
さ『横でじっとしてるよ。
  流石にショックみたいで、
  とりあえず私に怪我が無くて良かったって。』
 
オ『怖かったな。
  けど、オノさんが横に居てるなら大丈夫。
  オノさんならさきんこの事守ってくれる。
  今はさ…俺なんかよりオノさんだけに頼りなよ。
  話は落ち着いた時に聞くからさ。』
 
 
 
さきんこの返信は無かった。
 
これでイイ。
これでイイんさ。
 
オリだって、話聞いてあげて、
"怖かったな…"って慰めてあげたいさ。
 
けど…。
今のオリに何が出来る?
 
さきんこはきっと泣いてる。
その涙を拭えるのはオリじゃない。
今、隣に居てるのはオノさん。
 
だったら…。
オリに何の意味がある?
 
泣いてるさきんこの声を聞きながら、何も出来ない。
 
髪を撫でながら"怖かったね"って、
ギュッと抱きしめて"もう大丈夫"って、
さきんこを安心させてやれない。
 
歯がゆい。
何も出来ない自分が。
 
憎い。
涙を止めてやれない自分が。
 
 
一体、オリは何なんだ。
好きな人が泣いてるのに何も出来ない。
 
 
 
 
何の役にも立たないのならイッソの事…
消えてなくなれ。
 
 
 
 
―今日イチ―
頬うずめる肩が欲しいなら
僕のこの肩でそうして欲しい
ずっと Baby Baby
ああ君のため
僕がしてあげられることは
それぐらいしか今はできないけれど
 
THE BLUE HEARTS
~君のため~

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